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Ubuntuの本当のところはどうなのか? 連載後書きにかえて

2007/11/01 17:02

 

このブログでは、長々と「あなたがUbuntuを使う100の理由」を書き綴ってきたのですが、その目的は、まだまだ日本では知名度が低いUbuntuをできるだけ多くの人に知ってもらうことでした。数ヶ月の連載中にUbuntuの名前は徐々にひろまってきましたし、1つのテーマとしてのネタも尽きました。表題の「100」にも達したことですし、連載はこれにて終了します。ブログそのものは、テーマを変えてもうしばらく続けようと考えています。

さて、このシリーズの目的は、上記のように広報にあったわけですが、広報のためには情報の取捨選択を行います。そのため、目立つこと、話題になりやすいことを集中的に取り上げ、必ずしも全ての情報を同じような公平さで扱うことがありませんでした。嘘は書かなかったつもりですが(事実と違うことがあれば、それは私自身が誤解しているためです)、「いいこと」ばかり書いたので、読者の方々には現実とは異なったイメージが伝わった可能性もあります。そこで、今回は、「じゃあ、現実にはUbuntuはどのように受け入れられているの?」ということを、私の知る範囲で書いてみたいと思います。

●どのくらいの人々がUbuntuを使っているの?

まず最初にお断りしておかねばならないのは、世界中にどのくらいのUbuntuユーザーがいるのかということをいくらかでも正確に把握する統計は存在し得ないということです。私のようにUbuntu以外の環境を全く使わないユーザーの他に、限られた用途や場所で(例えば自宅でネットを見るときだけ)Ubuntuを使うユーザーもいるでしょうし、インストールはしたものの使わないユーザー、ライブCDで立ち上げたことがあるという程度のユーザーまで、使用の程度は様々です。どこまでをUbuntuユーザーとするのかで話は変わってきます。サーバーとしての使用を含めるのかどうかによっても数は変わります。どの程度の頻度でパソコンを使い、どの程度重要な目的に使うのかによって、統計の現れ方は変わってきます。

さて、全世界でどの程度の人々がUbuntuのようなデスクトップLinuxを使っているのかということを推測するひとつの数字は、Webアクセスの解析結果からもたらされます。自動巡回装置などによるアクセスを除いた多数のWebサイトへのアクセス結果を見れば、ネットに接続されているパソコンがどんなOSで稼働しているのかを推計できるというわけです。そのような数字のひとつとして、Linuxが0.81%という統計があります。90%以上を占めるWindows系OSと比べればもちろん、急速に回復中のMac OSの約6.5%と比べても微々たる数字です。Ubuntuは、この0.81%のさらに一部を占めるに過ぎません。1000人のパソコンユーザーのうち、ほんの数名だけがUbuntuを使っている計算です。

これはどのくらいの数になるのでしょう。全世界のネット人口はざっと7億近くとも推計されますが、これには携帯ユーザーなども入っています。世界のパソコンの台数は6億台以上ともいわれますが、どの程度の機械がどの程度稼働しているのか、実態は不明です。仮に世界に5億台のパソコンがあるとして、その1000台に2台の割合でUbuntuユーザーがいると仮定すれば、世界には100万人のUbuntuユーザーがいることになります。日本では、Ubuntuは人気を集めるようになってきているとはいえ、英語圏に比べればまだまだですから、そのうちのわずかしか占めないでしょう。1万人とか2万人とか、そういった桁ではないかと推定されます。これは、Ubuntuの英語フォーラムの登録者数が418,625人、日本語フォーラムの登録者数が1748人であることともある程度符合します。

結論として、世界中では100万人程度、日本国内では1万人程度の桁で、しかも相当な幅での誤差が予想されるというところではないでしょうか。

●Ubuntuは本当に普及しつつあるの?

ダウンロード数だけでいえばリリースごとに着実に増加しているようではありますが、これはあてになりません。「ライブCDで試してみただけ」とか、「ダウンロードに失敗して何度もトライした」というようなケースが数を増加させ、いっぽう、「自分のパソコンにインストールした後のCDを友達にあげたよ」とか、ネットワークインストールのケース、さらに派生ディストリビューションなど公式サイト以外からのダウンロード数がカウントされないからです。

普及しつつあることのひとつの根拠は、「人気」です。OSの人気投票を行えば、UbuntuはMac、Winに次いで相当な数字を集めるようになりました。Googleの検索数は、一定して増加を続けています。ブログ検索をかけると、毎日多数のエントリーがUbuntuについて触れるのを目にするようになってきました。火のないところに煙は立たない、人気があるということは普及を裏づけているのではないでしょうか。

もうひとつの根拠は、プリインストール機の発売です。日本では、まだ企業向け販売をある小さなメーカーが始めたばかりですが、欧米では既にDellがプリインストールモデルを4月から販売しており、イギリスでは先月にテスコ、アメリカでは今月にウォールマートという大衆向け量販店がそれぞれUbuntu(もしくは派生ディストリビューション)のプリインストール機を発売しました。こういったUbutnuマシンの販売数は直接Ubuntuユーザーの増加になるわけですから、普及にはずみをつけるものと考えて間違いないでしょう。

一方で、「Linuxブームは過去にもあったが、結局普及はしなかった」という冷静な分析も可能です。これに対する有効な答えはありません。今回もブームが終わればデスクトップLinuxなど誰も使っていないという状況になるのかもしれませんし、今度こそ本物になるのかもしれません。上げ潮の波が寄せては返しながらだんだんと高いところで止まるように、ブームが去っても着実にユーザーは増加しているのかもしれません。いや、ブームそのものがもう終わりかけなのか、まだこれからなのか、それさえもわかりません。正確な答えは、やがて歴史が教えてくれるのでしょう。

●Ubuntuは本当に使いやすいの?

本当です。少なくとも私にとっては。けれど、これはかなり限定的な条件つきでの話です。

まず、ハードウェアの相性の問題があります。本文記事で95%のパソコンが対応すると書きましたが、この数字はどうやらかなり過大に見積もられたもののようです。もちろんいろいろな技術によってそのぐらいの割合のパソコンでUbuntuを走らせることは可能だろうと思います。けれど、特別な知識のない人が行き当たりばったりのパソコンを、特に手を加えずにUbuntuで起動できるかどうか、その確率は5〜8割ぐらいではないかという気がします。統計をとったわけではないのですが、ブログ界の書き込みでの成功率から推計すると、だいたいそのあたりの気がします。

そして、Ubuntuで起動することに成功しても、全く問題なく全ての機能が使えるのはその数割の機械ではないかという感じです。つまり、起動からインストール、最終的な使用まで、全く問題なくスムーズに使えるのは全体のパソコンの1〜2割ぐらいしかないのではないかと思います。

残りのパソコンは、設定を変更したり追加インストールを行うといった比較的簡単な作業で完全に動作する場合、いくつかの機能が使えないのでちょっとの不便を堪え忍びさえすれば問題なく使える場合、きちんとした使用に比較的高度な知識を必要とする場合に三分されます。それぞれがどの程度の割合なのかは、推計する材料がありません。

ということで、もしもあなたに高度なIT知識がなければ、あなたのパソコンでUbuntuが使えるかどうかは運任せというのが偽らざる実状です。しかし、それでも私はUbuntuを勧めます。もしもうまく使えればラッキーだし、一部の機能が制限されていても、メリットはそれを補って余りあるからです。たとえば、私のノートパソコンはハイバネート(使用中の状態を保ったまま電源をオフにするスリープの一種)がうまくいきませんが、別にその機能が使えなくても使用に問題がないので、Ubuntuで使っています。

次に、Windows環境との小さな違いがあります。これは、気になる人にはずいぶんと「使いにくい」と感じられるでしょう。私はたまたまメイン環境がもともとMacだったので、Windowsよりはむしろ使い易く感じました。このあたりの感性は、個性とも絡んできますので一概に言えません。ですから、「Ubuntuは使い易い」というのは本当は正しくなく、「Ubuntuが使いやすいと感じる人もいる」というのが正しいのでしょう。

●Ubuntuは本当に優れているの?

他の場でも書きましたが、OSの優劣を論じるのは、さまざまな要因が絡んでくるため、無意味な場合が多いものです。「自分にとってこれが適している」という条件が、他の人に当てはまるとは限らないからです。

また、パソコンを取り巻く環境は日々変わります。たとえば、少し前までは「Ubuntuは動画を見るのに不便だ」という状況がありました。いまでは特定のソフトに依存する場合を除けば、Windows以上に簡単です。現在はUbuntuの方が圧倒的にウィルスが少ないというのは事実です。けれど、数年後にも同じかどうかは保証がありません。もしもLinuxのシェアがWindowsよりも増加し、Windowsのセキュリティが格段に向上すれば、Linuxのウィルスが増えるという事態が発生しないとはいいきれません。

ですから、「Ubuntuの方がWindowsよりも優れている」と、無条件に言ってしまうのは正確ではありません。あくまで私の感覚として、Webにメール、ワープロに表計算、写真の整理に音楽鑑賞といった程度のユーザーなら、きっとUbuntuの方がメリットが大きいだろうと思うといった程度です。

●最後に

このブログは、ある意味、「ブログとはこんなものだ」といった常識に対する挑戦でもあります。日本では、多くの人々が「ブログって、日記でしょ」というイメージをもっています。しかし、英語圏のブログを見ていると、日記ブログももちろん数多いのですが、きちんとテーマを決めてしっかり書き込まれたブログもいくらでもあることがわかります。そういったブログがあるからこそ、ブログのメディアとしての多様性も確保されているのだと思います。

このブログを展開しているのは、ニュースサイトの「読者ブログ」です。おそらく「読者ブログ」として期待されているものとは全く異なった傾向の内容になっているとは思うのですが、あえてそういった場の雰囲気のようなものを無視しました。枠組を越えていくことが新たな可能性を開くものだと思うからです。

Ubuntuをメインテーマにしたシリーズは終わりますが、今後も、ひとつにテーマを絞った別のシリーズとして、このブログをしばらく続けていこうと思います。

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Ubuntuを使うのは、あなたの決断です。

2007/10/26 21:33

 

私がなぜUbuntuを使っているのか、その理由をもとに、このブログを書き綴ってきました。これは、あなたにUbuntuを勧めるということ以上に、一種の道具自慢であったのかもしれません。私が使っているUbuntuという道具は、こんなところが優れているんだよと、その理由を100ほどもあげてきたわけです。

人間の自慢話にはきりがありません。私のUbuntu自慢は、100といわず、いくらでも出てくるかもしれません。しかしまた、別のUbuntuユーザーには、別の自慢話があるでしょう。たとえば、私はUbuntuをサーバーのOSとして使ったことがありません。Ubuntuをサーバーに使っている人なら、きっとサーバーとして使うときに気づく長所を語ることができるでしょう。あるブログでは、星座シミュレーションのアプリケーションの魅力が語られていました。そういった趣味のない私には、これはUbuntuを使う理由にはなり得ません。ゲームにしてもそうですし、学術的な各種アプリケーションや、Latexと呼ばれる組版システム、動画編集、音楽編集など、私が知らないが故に書けない分野はいくらでもあります。そして、それぞれの分野で、それぞれのアプリケーションの魅力が、Ubuntuの魅力にさらにいくつもの「理由」を追加していくわけです。

ですから、「あなたがUbuntuを使う100番目の理由」は、私ではなく、あなたが決めてほしいのです。あなたがあなた自身の仕事、趣味、専門、嗜好、センスの上に立って、「ああ、Ubuntuってこんなこともできるんだ」と納得することが、きっと出てくるはずです。それをぜひ、あなたがUbuntuを使う100番目の理由にしてほしいのです。

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UbuntuはUbuntuです。

2007/10/25 21:26

 

あなたがUbuntuを選択すべき理由はいろいろありますが、結局のところ、最後の決断は、「それがUbuntuだから」ということに尽きるのではないでしょうか。

技術の進化した今日、WindowsでもMacintoshでもUbuntuでも、あるいはその他の様々なOSでも、一般ユーザーのできることに大差はありません。日常の使用では、Windowsは少しだけ強情でMacは少し洒落ていて、Ubuntuは少し土の匂いがするとか、ほとんどそんなイメージでしか語れないような気さえします。

そんななかで私がUbuntuを選択しているのは、これが自分の手に馴染むからです。そしてその感覚は、個人に特有のものでしょう。
だから、「やっぱりWindowsが楽だね」「Macは最高だよ」という感覚の人がいても、それはそれで当然だろうと思います。

最終的にあなたがUbuntuを選択するかどうかは、あなたがUbuntuを使って決めればいいことです。そして、そのときに理由を尋ねられたら、「だってこれはUbuntuだから」と笑って答えましょう。 個人の選択に、それ以上の理由はないのですから。あなたがUbuntuを使う99番目の理由として、これ以上のものはないでしょう。

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いい加減で幸せ、Linux

2007/10/24 20:21

 

Ubuntuが属するLinuxの世界は、適当でいい加減です。といったら、Linux関係者に「とんでもない!」と批難されるでしょうか。いえ、悪い意味で使われることの多い「適当」とか「いい加減」のもともとの意味は、「ちょうどいいぐらいに」ということではなかったでしょうか。人間が使うのにちょうど適した頃合が、Linuxの世界にはあるわけです。

たとえば、Windowsでソフトをひとつ、インストールするとしましょう。代金を支払って買ってきたソフトであれ無料でダウンロードしたソフトであれ、たいていはライセンス契約書や使用許諾書を読まねばなりません。読まずにインストールすることももちろん可能ですが、その場合、書面に書かれていたことを知らずにそれに同意することになりますから、一抹の不安が残ります。実際、無償で配布されているソフトの中には、実はスパイウェアやアドウェアであるものが存在します。しかし、こういったものでも、使用許諾書に「ユーザーのデータを読みますよ」「広告を表示しますよ」と明示してあれば、合法的に配布できるわけです。それを承知の上でユーザーがインストールしたのだということになってしまうからです。

いっぽうのLinuxでは、多くのプログラムがGPLなどのオープンなライセンスの下で配布されています。プログラムの使用はライセンス契約になりますから、ライセンス条項を読まねばならないことはWindowsの場合と同じです。けれど、実際にはインストールの度に読んで確認する必要はありません。なぜなら、ライセンスの種類はそれほど多くないからです。たとえば、「GPLで配布されています」と明記されているプログラムのライセンス条件は全て同じです。ということは、最初に一度だけGPLを読んで理解し、それに同意できれば、以後はもうGPLで配布されているプログラムに関しては改めて読み直す必要はありません。それ以外のライセンスに関しても同じです。何種類かあるライセンスをそれぞれ1度だけ読んでおけば、あとは気にするとしてもそれがどういうライセンスで配布されているのかをチェックすることぐらいで済みます。結果的に、「適当」で「いい加減」に、オープンなソフトをどんどんインストールしていけるわけです。

Linuxは、「こうでなければならない」ということが非常に少ない世界です。プログラムが気に入らなければ、別のものに変えることは簡単です。たとえば、Ubuntuのデフォルトのデスクトップ環境であるGnomeが気に入らなければ、KDEやXfceといった代替の環境にほんのわずかの回数のクリックで乗り換えることができます。そのほかにも数多くの代替プログラムがありますし、プログラミングの心得のある人なら既存のものに手を加えて新たなプログラムを組むこともできるでしょう。デスクトップ環境に限らず、あらゆるアプリケーションで同じことがいえるのです。この「ユルさ」が、Linuxの特徴だといっていいのではないでしょうか。

Ubuntuは優れたディストリビューションですが、必ずしも全ての人を満足させるわけではありません。土色のその基調カラーをクールではないと感じる人もいますし、ライセンシングに関する考え方が厳格過ぎる、あるいは緩すぎると感じる人もいます。「もっとこんなところを変えればいいのに」と思ったら、Ubuntuの開発に自ら参加して意見を述べることもできますし、もっと簡単に、Ubuntuを改変した独自のディストリビューションを作って配布することもできます。こんな分派活動が眉を顰められる世界も、世の中には少なからずあります。しかしLinuxでは、「ああ、そういうのもアリだよね」と温かい目で見られます。なぜなら、それが自由であることがそもそもの出発点だからなのです。

基本となる考え方が明確だから、その上にのっとって自由な発想が展開できます。基本のルールがしっかりしているから、そこさえ押さえておけば細かいことにやかましくいう必要がなくなります。基礎部分のプログラムがしっかりしているから、少々強引な操作をしても操作不能になる危険が小さくなります。こんなふうに、Linuxの世界は、根っ子がしっかりしているから、「適当」で「いい加減」で、そして幸せです。

Ubuntuは、プログラミングのことなど何も知らない一般のパソコンユーザーがLinuxに踏み込む最も簡単な入口のひとつです。そして、その入口を通れば、こんなふうに人間にとって適当で、ちょうどいい加減な幸せな世界がひろがっています。これが、あなたがUbutnuを選ぶ98番目の理由だというわけです。

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Ubuntuは、アフリカの言葉で「友愛」です。

2007/10/23 21:21

 

Ubuntuのパネルの「システム」をプルダウンすると、「Ubuntuについて」というノートを見つけることができます。ここに、「名前について」という説明がありますので、以下に全文を転載しましょう。

Ubuntu は人間同士の信頼や、お互いの関わりについての南アフリカの倫理的な概念です。この言葉はズールー族の、そしてコサ族の言語からきています。Ubuntu (「oo-BOON-too "ぅぉー ぶーん つぅー"」と発音します)は伝統的なアフリカの概念で、南アフリカ共和国の創設原理のひとつと見なされ、アフリカのルネサンスについてのアイデアに繋がっています。
Ubuntuの根本原理を大まかに訳すと、「他者への思いやり」です。別に翻訳してみると、「すべての人類をつなげる普遍的な分かちあいの絆を信じること」といえるでしょう。

    「Ubuntu な人とは、オープンな性格で他人に貢献する気持ちがあって、自分以外を肯定的に捉えられる人のことです。Ubuntu な人は自分が大きな世界につながっているという確信から生まれる適度な自信をもっているために、他人の能力や親切をねたみません。他人が馬鹿にされたり落ち込んだりしたときには共に落ち込み、他人が苦しんでいるときにはその気持ちを共にします」
Desmond Tutu 大司教

Linuxベースのプラットフォームとして、Ubuntuオペレーティングシステムはソフトウェアの世界にubuntuの精神をもたらします。

 
「きれいごとならいくらでも言える」というのは紛れもない事実でしょう。しかし、概念は言葉によって規定され、概念が実態を形作っていくというのも(特に目に見えないソフトウェアのような世界においては)また事実ではないでしょうか。「自分が大きな世界につながっているという確信」ほど、現代に求められているものはありません。Ubuntuは、そんな概念を体現することを願って組み上げられたディストリビューションなのです。

現に、Ubuntuは商業的には無視されてしまうようなローカルな言語にも対応しています。特殊なITリテラシーがなくとも使えるように、できる限りわかりやすく(しかし限界はありますが)工夫されています。現代のOSでは珍しいことではありませんが、感覚機能に障害のある人々にも使いやすくできるようなオプションを用意しています。「人間(人類)のためのLinux」を標榜し、できる限りそれに近づこうとしているのがUbuntuなのです。

こんな理念を共有できるということは、あなたがUbutnuを選択する97番目の理由にはならないでしょうか。

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Ubuntuには、奇妙な名前がついています。

2007/10/22 20:57

 

イボのあるイボイノシシ、白髪のハリネズミ、陽気なアナグマ、敏捷な雄ガモ、トガってるイモリ、元気な子鹿、根性のあるテナガザル。こんなふうに並べて何のことだかわかる人はほとんどいないでしょう。これは、元の言葉では、Warty Warthog、Hoary Hedgehog、Breezy Badger、Dapper Drake、Edgy Eft、Feisty Fawn、Gutsy Gibbonです。これでもまだわからない人の方が圧倒的多数。これは、歴代のUbuntuリリースに付けられたコードネーム、というよりも愛称です。Dapper以後はABC順に名付けられ、Gutsyの次はHardy Helonとか。頭文字をそろえるのもすっかり伝統になってしまいました。

これがMacintoshならどうでしょう。ジャガー、パンサー、タイガー、レオパルドと、いかにも強そうで格好いい肉食動物が並びます。イボイノシシやハリネズミ、イモリなんかを愛称にするなんて、馬鹿げていると多くの人が思います。

けれど、よく考えてみたら、この世界は他者を倒していく攻撃的な動物だけでは成り立ちません。年寄りのハリネズミもいれば子鹿もサギもアナグマも、さまざまな動物がそれぞれのニッチを守り、他の動物たちと関わり合いながら生きているのが自然界です。そういった多様性に目配りを忘れない姿勢が、この面白い名前に反映されていると思うのは穿ち過ぎでしょうか。

4.10、5.04、5.10、6.06、6.10、7.04、7.10。これもまた、わからない数字でしょう。これは、それぞれのバージョンに付けられた数字です。たとえば、Ubuntu 6.06 Dapper Drakeは、私が初めて使ったLinuxというわけです。

通常、バージョンを表す番号は、通し番号が使われます。そして、たいていはメジャーアップデートごとに最初の数字が上がります。たとえば、Mac OSは、7.0の次が7.2、その次が7.5、7.5.3、7.6とバージョンアップが進み、メジャーアップグレードがあって8.0、8.5、8.6と進んだように記憶しています。欠番はありますが、それは開発上の都合で生じるようで、基本的には順番にひとつずつ上がるのが慣例です。

ところがUbutnuでは、あっと驚くような、あるいは笑ってしまうような番号付けが行われています。6.06は2006年6月のリリースで、7.04は2007年4月、7.10は2007年10月がリリース日です。何のことはない、リリース年と何月かを数字で表しているに過ぎないわけです。

こういった慣例破りの番号付けや奇妙なネーミングは、多くの人から眉をひそめられてきました。けれど、「わかりやすいからいいじゃない」「面白いからいいじゃない」という自由闊達な姿勢が、そんな批難を軽やかに躱してきました。すべてにおいてとらわれがないのがUbuntuの特長なのです。

こんな奇妙な名前がついていることは、あなたがUbuntuを拒否する理由になるでしょうか。それとも、あなたがUbuntuを選択する96番目の理由になるのでしょうか。

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Ubuntuのコミュニティにはいろいろな出会いがあります。

2007/10/22 20:24

 

Linuxの世界では、コミュニティの存在が特に重要な役割を果たします。コミュニティはもちろん、Linuxの専売特許ではありません。例えば、Windowsを取り巻く世界にも存在します。掲示板や質問サイトにわからないことを書き込むと、即座に誰かが答えてくれます。あるいは、過去のそんなやりとりを検索して、似たような状況から脱出することができます。こういった人と人の助け合いが、インターネットの世界でいうコミュニティの重要な要素です。そういった助け合いの関係が、Linuxを取り巻く人々の間では特に濃密なのです。

これは、別にそういった取り決めがあるわけではありません。けれど、わからないことや困ったことがあれば、きっと誰かが助けてくれます。それを期待していいのがUbuntuをはじめとするLinuxです。逆にいえば、特定の商用アプリケーションを除けば基本的にはお金を出しても誰も助けてくれない世界です。多くの人が、先達や仲間に助けられてスキルを身につけてきたわけです。だからこそ、新入りのあなたを喜んで助けてやろうと皆が思うのです。

1年半ばかり前、私は、全く何の予備知識もなく、いきなりUbuntuをインストールしました。ぶっつけ本番で手探りをしてもなんとか動くのが、最近のLinuxです。ところが、基本的なところはそれでどうにかなっても、細かな使い勝手や高度な使い方をしようとすると、とたんに壁にぶつかってしまいます。困ってしまいました。

しかし、私はインストール直後から自分の備忘のためにブログをつけていました。そのブログに困った状況を書き込んでいると、「じゃあ、こうやってみたら?」「こういう解決方法があるよ」と、天の助けのようなコメントが飛び込んでくるようになったのです。さらにUbuntuのユーザーフォーラムに登録し、問題を書き込むと、打てば響くような答えをもらえました。そんなやりとりが楽しくなり、フォーラムのあちこちを覗いていると、「なんだ、これならこうやったら解決するじゃないか」というようなことで悩んでいる人を発見しました。使い始めて数ヶ月の初心者の自分がもっと初心者の人にアドバイスしたときのドキドキした気持ちときたら。そして、それが少しでも役立ったとわかったときの嬉しさといったら。そう、こういう積み重ねがコミュニティを形作っていくわけです。

そして、他の人がUbuntuをどんなふうに使っているのか興味が湧いてきて、ブログを検索してみました。すると、様々な人々が、様々なことで悩み、喜び、活用し、そして知恵を惜しみなく公開しているのです。そんなブログの気になる記事に書き込みをすることで、ネット上だけとはいえ、多くの出会いを経験しました。

そんな小さな出会いの中で、Ubuntuユーザーには実に様々な人々がいることを知りました。IT技術系の人々が多いのはもちろんですが、意外にもデザイナーや音楽に詳しい人々が多いのも驚きでした。私のような事務職にも出会います。出自は様々でも、皆、Ubuntuを愛用しています。そう、この豊富な人々こそがUbuntuの魅力なのです。

Ubuntuユーザーは、こんな日常的に出会う先輩や仲間ばかりではありません。Linspireという別の人気ディストリビューションの前CEOもUbuntuユーザーですし、世界有数のパソコンメーカーDellの会長もUbuntuを使っています。Ubuntuの創始者であるシャトルワース氏はショッピングサイトに欠かせない認証システムの開発者で、そのベンチャー企業売却によって巨万の富を得た人です。多くの人はこういった成功物語に注目しますが、しかし、実際にはお金を儲けることよりも、その後にどう生きるかということが本当に重要なことなのでしょう。氏は宇宙旅行者として地球の外に飛び出し、そして世界中の人が愛するLinuxディストリビューションを仕掛けました。天性の冒険家であることがその生き方から伺えます。そんな常識にとらわれない自由闊達さが、Ubuntuの基本的な性格を形作っているように思えます。

こんなふうに、多くの人々がそれぞれの場所でそれぞれに助け合いながらUbuntuを動かしているわけです。単純に自分のパソコンのプログラムを便利にするという以上の意味が、Ubuntuをインストールすることにはあるのです。

あなたが意味深いコミュニティに参加していくことを、ぜひあなたがUbuntuを選ぶ95番目の理由にしてください。

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Ubuntuの進化を実感 - Gutsy Gibbonリリース!

2007/10/19 22:24

 

昨夜、Ubuntuの新版(7.10)であるGutsy Gibbonがリリースされました。日本語ローカライズ版も素早い対応で本日リリースされています。

早速これをインストールしてみたところ、明らかな進歩が各所に見られました。まず目を引くのは、なんといっても標準で搭載された3D効果です。グラフィックボードを搭載していないような普及型のパソコンでも十分に動作する程度の実用的な3Dがデフォルトとなっており、機械の性能によってはさらに高度な3Dも楽しめるという心憎い設定です。

さらに、ハードウェアの対応がよくなり、以前は一部の機械で正常な解像度を設定するためにちょっとハードルの高い設定をしなければならなかったのが、デフォルトでOKになりました。電源管理にも改善が見られるようですし、制限つきドライバを使うのもさらに便利になったそうです。

私にとって嬉しかったのは、タッチパッドの設定がデフォルトで行えるようになったことでしょうか。以前からこれは可能だったのですが、追加のプログラムをインストールしなければなりませんでした。それが不要になったのです。デスクトップの外観の設定も、以前はフォントやテーマなど設定する項目ごとに別々のプログラムを立ち上げなければなかったのですが、それが統一されました。全体として、ウィンドウズでいうコントロールパネル回りがすっきりした感じです。

さらに、デュアルブートしているWindowsのディスクに直接書き込みができるようになりました。これで、WindowsユーザーがUbuntuを並用するのがますます楽になるわけです。痒いところに手が届くOSです。

Ubuntuの人気をはっきりと証明するのは、オフィススイーツであるOpenOfficeの起動スプラッシュ画面の片隅に、Ubuntuのロゴが入ったことです。多くのソフトウェア開発者が、Ubuntuへのサポートを示してくれるのは心強いものです。

目に見えない基本機能でも、例えば起動時間が短くなったとか、消費電力を低下させるためのプログラムが組み込まれたなどの改善があります。半年後とのアップグレードでも、実に着実な進歩を見せているのです。これは、「見かけの他は何が変わったの?」と疑問を呈されるようなどこかのアップグレードとはまるで違っています。

これを機会に、ぜひ、あなたもUbuntuを試されてはいかがでしょうか。

日本語ローカライズ版はこちらです。

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Ubuntuには、お楽しみ企画もあります。

2007/10/17 20:22

 

Ubuntuの公式サイトに行ってみましょう。公式ショップへのリンクが見つかるはずです。ここでは、Ubuntu公式のTシャツや帽子、マグカップやデイパックなど、さまざまなグッズが販売されています。以前には夏向きのラインナップだったと思うので、季節によって商品を変えているのかもしれません。なかなか細かいところまで念が入っています。

こんなお楽しみ企画がライブCDやDVD、そしてUbuntuをサポートするCanonical社の資金源であるサポートの販売に混じって提供されているあたり、Ubuntuには楽しい遊び心があります。ちなみに、ライブCDは、基本的には無料で送ってもらえますが、もちろんダウンロードが手っ取り早いですし、場合によってはオークションなどで購入するのがかえって楽かもしれません。

さらに、Ubuntuにはコミュニティの自主企画であるfull circleというオンラインマガジンもあって、現在第5号までが発行されています。無料でダウンロードできます。残念ながら日本語化はされていないのですが、画像が豊富なので、眺めているだけでもずいぶんと面白いものです。

こんなふうに、Ubuntuを取り巻く様々な制作物が作られるのは、Ubuntuが多くのクリエーターの心をとらえる力をもっているからでしょう。音楽や動画など、これからもUbuntuに関連した「お楽しみ」はひろがっていくと予想されます。

みんなでわいわいと楽しい雰囲気があることは、あなたがUbuntuを選ぶ94番目の理由にはなりませんか。

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Ubuntuなら話題のFonも簡単です。

2007/10/17 01:17

 

外出先どこでもネットに接続できたらいいのに。こんな願いをわずか2000円ほどで実現できる企画があるのをご存じですか。Fonは、世界中で、登録ユーザーの一人一人が自分のネット接続を無線LANで開放することで、「みんなでWi-Fi」を実現しようという企てです。まだまだ始まったばかりなので、現実には「どこでも接続」というわけにはいきませんが、既に日本国内だけでも1万箇所以上のアクセスポイントがあり、着実に増加を続けています。試しに私の住むエリアを検索してみると、私以外に5人のユーザーが無線LANを開放していることがわかります。この調子でユーザーが増えれば、やがて本当に、「どこでもネット接続」が可能になる日がくるかもしれません。

Fonは、実用的には無線LANの発信装置をWebにつながっているルーター(あるいはモデムや終端装置)に接続するだけです。この無線信号をパソコン側で受信するのですが、信号は通常のローカルのネットワークと、公衆用のネットワークにわかれています。自宅ではローカルのネットワークに接続し、外出先では公衆用のネットワークに接続するわけです。

ですから、あなたのパソコンが無線LANに対応していれば、Fonの装置(フォネラと呼ばれます)を2000円程度で購入するだけで準備は完了します。無線LANの受信装置を内蔵していない場合は無線LANカードやUSB接続の無線LANアクセスポイントを数千円で別途購入することになりますが、たいした出費ではないでしょう。

問題はここからです。WindowsでもMacでも、無線LANの接続はけっこう面倒なものです。Fonの関連のWebサイトにも接続の方法がいろいろと解説してありますし、たいていの場合はマニュアルと首っ引きで試行錯誤をしなければなりません。ところが、Ubuntuの場合(無線LANのハードウェアさえきちんと認識すれば)、あとはパネルに表示されたネットワークのアイコンをプルダウンしてFonを選ぶだけ。何も考えず、何も調べずに、ほとんど直感的に操作ができます。実際、私もFonの端末とUSB式の無線LANアダプタを購入し、箱を開けてわずか30分後にはもうFon経由でネットに接続していました。驚くほどの簡単さでした。

どんな夢のような企画も、ユーザーが苦労して設定しなければならないのでは広まりません。Fonもその通りです。Ubuntuなら、なんの苦労もなしにFonに接続できます。そして、Fonは、単に自宅内のネットワーク環境を無線LANに変更するというだけの目的でも非常に重宝なものです。込み入ったLANケーブルに頭に来ている人や家庭内モバイルで不便な思いをしている人には、ぜひFonの導入を勧めます。そして、オマケとして「どこでもネットに接続」の環境がやがて手に入るのであれば、こんなにいいことはないではありませんか。

苦労せずにFonのような素晴らしい企画に参加できること、これは、きっとあなたがUbuntuを選ぶ93番目の理由になることと思います。

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